海外での歌舞伎公演に間に合わせるKさんの練習
絽の紅型着物と麻の名古屋帯のコーディネートで、着付けの練習をされていたKさん。
麻の名古屋帯は、何度も練習で使うと毛羽立ちやすく傷みやすくなってしまうので、練習に向く名古屋帯を一度お持ちいただいて練習してみました。
同じ名古屋帯でも扱いやすいその帯は、習得を早めてくれたような気がします。
さて今回最後になる名古屋帯のお太鼓ですが、Kさんの麻の名古屋帯は、手先が随分長く仕立ててあるため、手先の調節をするのがむつかしそうでした。
帯だまりを多くとる方法もありますが、芯が硬い帯なのでお太鼓の真ん中あたりに膨らみがでてしまいます。
そのため手先を長くとって、手元でしまい込むようにしたのですが、それだと右手でしまい込む動作が上手くいきません。
帯の練習は一か所だけ練習すればいいというものでもなく、関連するところを見ないままで動作しなくてはならないところがあります。
手元でしまい込むのが上手くいかないため、お太鼓に隠れるところに、タックをとってもらうようにしたのですが、それも出来上がりのときに行うのは難しかったです。
こんなときは、あらかじめタックをとっておき、帯を締めるようにするのがよいです。
そんなお話もしながらKさんの名古屋帯の練習を行いました。
平日はお仕事で時間がとれないので、練習は思うようにすすんでいないようです。
そのため「作り帯」を買ってしまおうか・・・というお気持ちになってお店に見にいったそうです。
気にいった作り帯が見つからなかったこともあり、やはり「手結びを頑張る」と考えなおされて、努力されていました。
そのかいあって、お太鼓の底はゆったりしてしまいましたが、かなり整ったお太鼓ができるようになりました。
このお写真は完成ではありませんが、手伝うことなくできました。お太鼓のゆるみが出ていますが、ここを改善できるようお伝えしています。
またこの日ご自身で着ていらっしゃったのですが、補正のタオルの位置がやや下でお腹にひびいてしまっていたため、すっきりした着姿にはなっていません。
この点も改善できるようお伝えしています、練習の過程であることをご了解くださいませ。