浴衣を着るときの伊達締め・一本だけ利用ですが気を付けてほしいこと
浴衣を着るときに伊達締め(だてじめ)を一本利用するのですが、
すでに着物を着るとき用の伊達締めを持っている方は、そのうちから選んでもらえば問題ありません。
しかし、一つだけ注意することがあります。
それは「帯を後に回すときに、摩擦が大きくて回しにくいものは避ける」ということです。
これは帯の材質とも関係するので、一概にどの伊達締めがいけないとは言いにくいのですが、
ゴム製のものや毛羽だちのあるタイプの伊達締めがよくありません。
なぜかというと、伊達締めの上に帯をしますが、
浴衣のときは半幅帯か浴衣帯を体の前で結んでから、背中に回すため、
体の周囲を半周、できあがった帯結びを回します。
そのとき、摩擦が大きいと、とても回しづらいのです。
せっかく浴衣が着られて、帯もできあがったというのに、回すときに苦労すると、
着崩れたり、汗をかいたりといいことはありません。
特に相性の悪い組み合わせが、ゴムタイプの伊達締めと凹凸のある木綿の半幅帯の組み合わせです。
今まで経験したり生徒さんの様子を拝見して気になっていたのですが、
簡単に扱えるからと、マジックテープのついた伸縮性のあるゴムタイプの伊達締めをすすめられて購入した方は、
できあがった帯結びを背中に回すのに苦労しています。
このタイプの伊達締めは、浴衣帯などすべりのよい帯の場合はいいと思いますが、
木綿のそれも凹凸が表面にある半幅帯の場合には、とても帯を回しにくくなってしまいます。
浴衣着付けのレッスンでこの組み合わせで最近お稽古された I さんは、とてもつらそうでした。
最後の段階にきて、うまくいかないのですから、自分が下手!?なのか不安になってしまいます。
そのためせっかく購入した伊達締めですが、違うものに買い替えることにされました。
浴衣は夏の暑い季節に着るので、浴衣のためだけなら、
隙間の空いた空気を通す「メッシュタイプの伊達締め」も、マジックテープでさっと留められるのでよいでしょう。
あるいは着物も今後着る予定なら、「絹の博多織の伊達締め」(これは少々高価)あるいは、
「化学繊維の伊達締め」(こちらは安価)でもOKです。
結論
浴衣を着るときの伊達締めは、マジックテープのついた伸縮性のあるゴムタイプの伊達締めは避けた方がよい。
これは木綿の表面に凹凸のある織り方の半幅帯の場合、特に摩擦が大きく帯を回しにくくなるからです。
これ以外の帯(いわゆる浴衣帯や絹製の帯は、そこまで回しにくくはなりませんが、それでも人によっては回しにくいと感じることがあります。)
たかが伊達締め一本の話ですが、 I さんにとってはかなり不愉快な経験だったようです。
浴衣の着方をレッスン中の I さん、新しい帯の結び方に挑戦しています。初めて結んでみてこれからまだアレンジを加えていく途中です。
浴衣の着付けレッスンは2回だけ。
プライベートレッスンで素早く上達されています。